当社では、再生可能エネルギーの開発・設計・施工により地球温暖化防止を目指すクリーンエネルギー事業や、農薬・化学肥料不使用で固定種・在来種による自然農法により、安心・安全な食の提供と持続可能な農業の実現に向けたアグリ事業などを展開しています。
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ソーラーシェアリング事業で原木椎茸栽培
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岐阜県の美濃加茂市・川辺町に導入を計画中のソーラーシェアリング事業では、ソーラーパネルの日陰を利用して「原木しいたけ」の栽培を行います。
原木しいたけの栽培には風通しがよくて涼しく、適度な湿度が保たれている場所が適しており、今回山間部に設置するソーラーパネルの日陰がその条件を満たします。
現在は試験栽培を実施中ですが、ソーラーシェアリングの工事完了後に原木を導入し、本格的な栽培を開始いたします。
1年目は19,000本(収穫予定量約4,750kg/年)の原木導入を予定しており、4年後には76,000本(収穫予定量約19,000kg/年)の導入を目指します。
その後は継続してこの本数を維持できるよう取り組んでまいります。
原木は日本国内から調達予定ですが、将来的には美濃加茂市内からの調達も目指しています。
尚、栽培使用後の原木は土壌改良に活用する他、様々な方法でリサイクルしていく予定です。
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岐阜県の美濃加茂市・川辺町へのソーラーシェアリング導入について
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美濃加茂市・川辺町の2つの市町をまたいだ地域でのソーラーシェアリングの導入に際しては、自治体や農業委員会の理解や認可を得るための手続きが煩雑なことに加え、適切な農業と収穫量の報告、3年ごとの更新など、維持にも工数が多くかかります。
また、一般事業者は農業経験がないため、認可がおりないことも数多くあります。
今回当社が着工・設置許可を得ることができた美濃加茂市においても、ソーラーシェアリングは初の認可となるため住民の皆様にご理解、ご納得いただけるような説明や、導入に際しての行政協議においてとても大きな困難を乗り越えてきました。
当社はソーラーシェアリングの設備工事のみならず、こうした事前の地域住民や市議会をはじめとした行政への説明、許認可の取得等の開発行為を、これまでの事業で培った経験や知識、各所へのリレーションを生かして丁寧にコツコツと行ってまいりました。
そのため、地域全体が統一した見解と受け入れの風土を持った上で導入に至ることができました。
2021年3月より太陽光設備工事の着工をしており、2022年5月に完工予定です。
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原木しいたけと菌床しいたけの違いについて
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現在、日本のしいたけの栽培は、原木が8%で菌床が92%※となっています。
菌床しいたけは、おがくずを固めた菌床と呼ばれるブロックに菌を打ち、湿度の高い暗室内で栽培されます。
人工的に養分を与えることで、次々と収穫することができ、1年中出荷が可能です。
一方、原木しいたけは、自然の中で栽培されています。
原木での栽培は気候条件に左右され、安定した収穫量を見込むことが難しい栽培方法です。
生産数が少ない上、原木に菌を打ち込み、収穫までに約1-2年半と時間もかかるうえ、収穫も春と秋の年に2回のみです。
しかし、しいたけは自然発生するため、完全な無農薬で栽培することができます。
さらに、時間をかけて育てることで肉厚で、味や香りも良いしいたけが収穫できます。
また乾燥させることにより、一層うま味や栄養価が高まるとされている無農薬の原木しいたけを年間通して楽しんでいただくことができます。
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ソーラーシェアリング以外でも地元の伝統野菜を栽培
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当社はアグリ事業として、自社保有の翔栄ファーム、前橋農場(群馬県)、龍ヶ崎農場(茨城県)にて農薬・化学肥料不使用、固定種・在来種の自然栽培を行っています。
このソーラーシェアリングを導入する美濃加茂農場でも、ソーラーパネルの下以外の農地では、地元の伝統野菜である桑の生豆、飛騨カボチャを栽培しています。
2019年から土壌づくりを開始し、作物の種類も増やしつつ、日本ミツバチの養蜂にもチャレンジしています。
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美濃加茂市里山再生プロジェクト「里山千年構想」への貢献
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美濃加茂市では、昔からの山の姿を取り戻し、本当の里山の魅力を再生することを目指し、千年経っても変わらない風景を残す「里山千年構想」を掲げています。
「里山千年構想」では、美濃加茂市の自然があふれる環境を見直し、これからの新しい時代に向けた新しい提案がされています。
当社では、今回の原木しいたけ栽培計画実施にあたり、美濃加茂市の原木を使用することで、美濃加茂市が掲げている「里山千年構想」への貢献も目指します。
美濃加茂市の「里山千年構想」への想いを受け、里山再生プロジェクトを成功できるよう原木という資源を活用。
本プロジェクトが掲げる『里山の樹木を価値あるものへ』の指針に貢献できるよう取り組みます。